皆さんこんにちは。
今回のブログでは、X5(E53)のオーバーヒート修理についてご紹介致します。
お客様のX5(E53)は、走行中に水温が突然上昇し下がらなくなったということでお電話を頂き、そのまま走行し続けるのは危険なためレッカー車で緊急入庫されました。
オーバーヒート状態で走行し続ければエンジン自体にダメージを与えてしまい、エンジン交換といった最悪な事態を招く危険があります。
まずはオーバーヒートの原因を特定するため、専用テスターを使ってまずはエラーログを確認してみます。
今回のチェックでは、エラーログは特に確認されませんでした。
最初にお電話を頂いた際に水漏れなどは見当たらないとのことでしたが、念のためリフトアップしてオーバーヒートの原因として一番多い水漏れが無いかを確認してみます。
お電話越しにお客様に確認してもらった通り、水漏れも確認されませんでした。
そうなると外側で疑わしいのは、ラジエーターを冷却する電動ファンの故障となります。
電動ファンが動いているのかを確認するため、エアコンのスイッチを入れてみると・・・
写真で見た通り電動ファンは回っていません。
オーバーヒートの原因の1つが電動ファンであることが判明しましたので、今度は電動ファンが回らない原因を調査します。
電動ファンに接続されるコネクターにテスターをあて、電源や制御信号を調べましたが、電源や制御信号には特に異常は見られません。
配線の断線が原因ではなさそうです。
更に専用テスターで電動ファンが強制稼働するかを確認してみます。
専用テスターによる強制稼働でも電動ファンは動作しないため、電動ファンの故障と断定しました。
ここからは故障と断定された電動ファンの交換作業となります。
電動ファンは下にずらして脱着するため、フロントバンパーやフロントクロスメンバー等手前にあるパーツを全て取外しての作業となります。
フロントバンパーやフロントクロスメンバーといったパーツの脱着は2人掛りで行います。
手前のパーツを全て取り外したら電動ファンを手前下に引き抜きます。
はい。きれいにフロント廻りが取れました。
なんかロボットの顔のようですね(^^;
これが今回交換する新品の電動ファンです。
取り外した電動ファンと比べると、当たり前ですが綺麗ですよね。
新品の電動ファンを取付け、コネクターを接続したらこの状態で一度動作確認を行ないます。
エンジンを掛けエアコンをつけてしばらく待つと・・・
今度はちゃんと電動ファンが回ることを確認できましたね(>ω<b!!
後は取り外したパーツを元通りに全て組み付けて作業完了です!
最後にエンジンチェック(オイルと水が混ざっていないかを色と量で確認、アイドリング時のリザーバータンク内に気泡が出ていないか?など)を行い、オーバーヒートによる影響が出ていないかをチェック、試運転を行い問題が無いことを確認したうえでお客様に一度ご納車してしばらく様子を見てもらいます。
オーバーヒートの場合、しばらく使ってみないと現象確認できない症状があるため、オーバーヒートで入庫されたケースの場合は修理後の経過観察期間が必要となります。
オーバーヒートはエンジン自体にダメージを与えてしまい、エンジン交換といった最悪な事態を招く危険があります。
V型エンジンはその構造からオーバーヒートによるダメージを受けやすいので、オーバーヒートしそうな状況に陥った場合は安全な場所に速やかに車を止めて、BMW専門店へ電話しメカニックの助言を必ず仰ぐようにしてください。
長く快適なBMWライフを満喫いただくため、他店でBMWをご購入された方も「Tsutae’s Check Up」を是非ご活用下さい。つたえファクトリーでは、法定12ヵ月点検プラスアルファとなるBMW用に設けた100項目に近い独自点検項目の「Tsutae’s Check Up」をご提供しております。
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それでは皆さん、また次回お会いしましょう!!
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